PRESS RELEASE / 加速キッチン合同会社 2026年6月10日

報道関係各位

取材のご案内Media Advisory

中高生が世界最高強度の加速器 J-PARC でミュオンビーム実験に挑戦

J-PARC · MLF · 2025.05 MLF実験ホールの通路から、ミュオンD1エリアを見下ろしながら説明を受ける昨年の参加中高生たち
昨年(2025年5月)の実験にて。世界最高強度のビームが行き交うMLF実験ホールで、実験を行う「ミュオンD1」エリア(写真左)の説明を受ける参加中高生。

2026年6月20日(土)〜21日(日)、大強度陽子加速器施設 J-PARC の物質・生命科学実験施設(MLF)ミュオンD1エリアにおいて、加速キッチン合同会社の探究支援を受ける中高生11名が、自ら立案した5つのテーマでミュオンビーム実験に挑戦します。中高生によるJ-PARCでのビーム実験は、世界初として実施した昨年(2025年5月・4名/3テーマ)に続く2回目で、参加者・テーマともに大きく規模を拡大します。報道関係各位におかれましては、ぜひご取材くださいますようご案内申し上げます。

Information
日時
2026年6月20日(土)〜21日(日)
※日程の詳細は下記スケジュールに記載
場所
J-PARC(茨城県東海村)物質・生命科学実験施設(MLF)ミュオンD1エリア
参加者
加速キッチンの探究支援を受ける中高生 11名(全5テーマ)
取材申込
文末の取材窓口までご連絡ください
01 experiments

中高生が自ら立案した5つのビーム実験

磁場中でのミュオンの軌道曲率測定による運動量・速度の評価

入山哉太さん攻玉社高等学校 2年

入山さんは自宅でネオジム磁石と放射線検出器を使って、β線の曲率からのエネルギー推定に取り組んでいます。J-PARCでは、あらかじめエネルギーが定められたミュオンビームを磁石で曲げ、その曲率から運動量と速度を求めます。

ミュオンの速度測定に基づく運動量との関係の考察

川道かのんさん名古屋大学教育学部附属高等学校 1年 淺野颯良さん同 高等学校 3年

昨年に続く2年連続の参加です。昨年行った、2台の検出器の間をミュオンが飛ぶ時間(飛行時間)から速度を測定する実験に、計測方法を工夫・改善してより高い精度で挑戦します。昨年度のJ-PARCの実験結果は成果発表で高く評価されています。

2台のCosmic Watchを用いたL字配置の正当性評価

濱本夏芽さん茨城工業高等専門学校 3年

自宅で宇宙線と太陽活動の関係を測定しており、この宇宙線観測で用いる検出器の「L字配置」の検出感度の評価を、J-PARCのミュオンビームで検証します。濱本さんはトビタテ!留学JAPANの今年度の課題に採択されており、複数の国の学校や研究所などに赴いて、宇宙線観測用の検出器の設置や現地でのワークショップの実施を行う予定です。

気温が検出器に与える影響

土屋百花さん多摩科学技術高等学校 2年 八反地由奈さん共立女子高等学校 1年

土屋さんは太陽活動と宇宙線の関係を、八反地さんは宇宙線と気象の影響の観測を自宅で行っています。J-PARCでは検出器を保冷剤やカイロで温度変化させ、センサー温度が検出性能(光センサーSiPMの感度)に与える影響を調べます。

QuarkNet検出器による宇宙線の速度測定

片岡奈津希さん・中馬ひかりさん・行廣瑞希さん女子学院高等学校 今野真帆さん・内藤莉子さん女子学院中学校

女子学院中学校・高等学校では、アメリカのQuarkNetによって提供される高速なデータ収集回路を有する検出器を使って、宇宙線の速度を測る実験を校内の天文ドームを使って行っています。今回のJ-PARCのビーム実験では、検出器の性能を評価するため、決められたエネルギーのビームの観測を行います。

J-PARCのミュオンD1エリアで、ビームラインに自作の2次元ビームモニタを設置する参加者
昨年の実験で、ミュオンD1エリアのビームラインに2次元ビームモニタを設置する様子。
02 schedule

当日のスケジュール(予定)

Day 1 — Sat

6.20土曜日

  • 10:00–11:00日本原子力研究開発機構(JAEA)JRR-3(研究用原子炉)の見学
  • 13:00–14:00参加中高生によるJ-PARC内エリアの見学
  • 14:00–17:00装置の準備・動作チェック
Day 2 — Sun

6.21日曜日

  • 9:00–15:00各ビーム実験の実施(テーマ①〜⑤)

MLF ミュオンD1エリアにて。

03 last year

昨年度の実験の様子

中高生によるJ-PARCでのビーム実験は、昨年2025年5月に世界初として実施され、中高生4名が3つのテーマに取り組みました。実験の詳細は昨年度のプレスリリース(J-PARC公式サイト)をご覧ください。

J-PARCの建物の前で並ぶ、昨年の実験に参加した中高生と加速キッチンのスタッフ
昨年(2025年5月)の実験に参加した中高生と加速キッチンのスタッフ。
04 glossary

用語の説明

J-PARC

高エネルギー加速器研究機構と日本原子力研究開発機構が茨城県東海村で共同運営している大型研究施設で、素粒子物理学、原子核物理学、物性物理学、化学、材料科学、生物学などの学術的な研究から産業分野への応用研究まで、広範囲の分野での世界最先端の研究が行われています。J-PARC内のMLFでは、世界最高強度のミュオン及び中性子ビームを用いた研究が行われており、世界中から研究者が集まっています。

Accel Kitchen

加速キッチンは宇宙・素粒子分野を自分たちの力で探究できる世界をつくることを使命として、理工学系や様々な分野の大学生・大学院生を中心として活動しています。この活動は徐々に広がり現在では世界でも最大の素粒子探究ネットワークとなりました。素粒子を測定してその極小の世界の性質を調べたい中高生のために安価で手軽に使える素粒子検出器を配布し、研究者や様々な市民科学プロジェクトと中高生をつなぎ、世界中の研究者や中高生と共同研究をするきっかけを提供しています。accel-kitchen.com

MUSE

MUSEは、J-PARCのMLF内にある世界最先端のミュオンビーム実験施設です。高強度のミュオンを用いて、物質内部の構造や磁性、超伝導などを非破壊で調べることができ、物性物理や材料科学、生命科学など幅広い分野で利用されています。

About

加速キッチンについて

加速キッチンは、中高生に素粒子検出器を無料で貸与し、研究機関と連携した宇宙・素粒子の探究活動を支援する組織です。これまで300台超の検出器を貸し出し、200名以上の生徒の探究を支えてきました。参加費は無料です。

For Press

取材のお申し込み・お問い合わせ

ご取材をご希望の際は、下記の窓口までご連絡ください。