CERN (ヨーロッパ合同原子核研究機構), DESY (ドイツ電子シンクロトロン) 主催の世界中の高校生が素粒子実験を提案するコンテスト「Beamline for Schools」のプログラムマネージャーであるSarah Maria Zoechling、サポートサイエンティストであるMartin Schwinzerl へのインタビューです。

Program Manager: Sarah Maria Zoechling

 私は現在、Beamline for Schools(BL4S)のプログラムマネージャーを務めています。以前は博士課程で異なる分野の研究を行っていましたが、教育や若い世代の科学教育に貢献したいという思いで、このプログラムに携わることになりました。

 「Beamline for Schools(BL4S)は、高校生が実際の粒子加速器を使った実験提案を行い、それを実現する機会を提供するプログラムです。提案が採択されたチームは、CERNや他の施設で自分たちの実験を実施することができます。このプログラムは、物理学の知識を深めるだけでなく、科学の進め方を学ぶ場でもあります。特に、日本からの参加はまだ少ないものの、遠方の国から来る学生たちの熱意は特別であり、CERNも資金援助などで全面的にサポートしています。

 物理の世界では男性が多いことが多いため、全員が女子であるSakura Particlesを迎える事はとても嬉しいです。Sakura ParticlesとMarvericksどちらにもいえる事なのですが、どちらのチームもCERNに来る前から彼らの検出器の動かし方やデータの扱い方をよく確かめていたことです。CERNで実験する2週間はあっという間に過ぎてしまうので、これはとても役立ちました。 提案の良し悪しは様々な要因によりますが、今年は特に、提案段階で既に検出器の仕組みやデータ分析について深く理解していることを重視しました。CERNでの2週間は短いですが、事前にしっかりと準備をしているチームは、その時間を最大限に活用できるからです。

 科学の仕組みを理解することは、人生において非常に重要です。BL4Sのようなコンペティションは、自分が興味を持つ研究課題を自由に設定できる素晴らしい機会です。科学が社会にどのように貢献できるかを学ぶことで、新たな可能性が開けるはずです。たとえ難しそうに感じても、一歩踏み出す勇気を持って挑戦してほしいです。

Support Scientist: Martin Schwinzerl

ビームエリアでの作業風景。

Beamline for Schoolsに関する貴重な情報を伺うことができました。現地でお会いした方々も共通して強調するのは、選考の運要素の強さです。そんな中でも、どんなプロポーザルが目に留まりやすいかのヒントはいただけたのではと思います。(加速キッチンでは引き続きBeamline for Schoolsへの挑戦を支援していく予定なので、興味のある方はinfo@accel-kitchen.comまでご連絡ください。)