2021.12.18 (Sat.) 16:00 - 18:00 予約不要・入退場自由
探Qでこの宇宙線探究活動を中高生でもできるデバイスを開発・配布を行ってきました。これまで全国たくさんの中高・高専で研究者のサポートを受けて宇宙線検出器の製作・探究活動を行ってきています。
進捗報告会では宇宙線探究を行っている中高生がこれまで行ってきた研究成果を発表します。測定に向けた装置開発・外国との共同測定など様々な研究の紹介を聞くことができます。
account_circle 喜多亮介
location_on宮城県 location_city 仙台第一高校 supervisor_account 丸田京華
account_circle 高2 篠原涼輔 account_circle 高2 齊藤瑞佳子 account_circle 高2 笠原愛加里 account_circle 高2 北島桃花
先行研究では宇宙線fluxと気温、気圧との間には気温効果、気圧効果によって相関があるとされていたが、湿度に関しての記述は見つけられなかったため、宇宙線検出器cosmic hunterを用いて湿度とfluxに関しても仮説を立てて調べると共に、気温・気圧との相関に関しても追実験を行った。
location_on秋田県 location_city 秋田高校(散乱班) supervisor_account 丸田京華
account_circle 高2 髙橋 慶 account_circle 高2 佐藤憲太郎 account_circle 高2 金田凌太朗
近年宇宙開発分野での研究が盛んに行われており、月探査のための宇宙ステーションや火星探査の計画が発表されている。私たちは宇宙開発の課題として宇宙線による被ばくが挙げられると考え、Geant4を用いたシミュレーションを通して宇宙線による被ばくのリスク低減を目標として研究している。 現時点では原子番号1~92の元素の単体の遮蔽材や、異なる元素の単体を2種類組み合わせた遮蔽材を作成し、宇宙線による被ばく量を評価している。
location_on東京都 location_city 豊島岡女子学園 チェレン supervisor_account 早稲田大 大澤真優乃
account_circle 高1 久保田佳歩 account_circle 高1 久世優果
宇宙線検出器のプラスチックシンチレータを、UVカットなしアクリル柱、UVカットありアクリル柱、塩化ビニル柱に変えて実験を行っている。これまでの実験で、小型宇宙線検出器でチェレンコフ光の観測に成功した。また、UVカットはチェレンコフ光検出の効率を落とすことが分かった。塩化ビニルについては、現在計測中である。
location_on静岡県 location_city 磐田南高等学校 supervisor_account 東京工業大 榎本晴日
account_circle 高2 三木花
宇宙線の主な発生源は太陽であることから、太陽の活動と宇宙線の発生数の間には強い相関があると考えた。本校では、15cm屈折望遠鏡を用いた太陽の黒点観測を20年間以上、継続して行っており、これまで多くのデータを蓄積してきた。そのデータの有効な活用方法として、太陽の黒点数と宇宙線の到来数にどのような相関関係があるかの探究に加え、太陽の活動周期と宇宙線到来の周期の比較も行っている。また、2021年6月より2台観測を開始し、そのデータでの研究も進めている。
location_on宮城県 location_city 仙台第二高校 supervisor_account 斎藤隆太
account_circle 高2 岩井柊馬 account_circle 高2 小川真結
地上で観測できる宇宙線の大部分は「ミューオン」という素粒子になります。ここでミューオンについて軽く紹介しておくと、電子と非常によく似た素粒子であり(約200倍重い電子のようなもの)、たった数マイクロ秒(100万分の1秒)という時間で崩壊してしまいます。目には見えない素粒子の”寿命”を自分たちの手で測定するというのは非常にワクワクするものですが、さらに興味をそそられる現象があります。それはミューオン(正確には負電荷をもつミューオン)が原子核に捕獲されてしまい、”寿命”が見かけ上短くなってしまうという現象です。我々仙台二高では、この興味深い現象に注目して実験を行っており、捕獲される原子核の種類によって”寿命”の短さに違いは出るのかを調べようとしています。
location_on東京都 location_city 立教新座高等学校 account_circle 能勢千鶴
account_circle 須﨑渓介
物質によって宇宙線の遮蔽率が異なると聞き、各物質ごとにどのくらい宇宙線が遮られるのかを調べた。この研究によって、物質の分類に応用できると考えた。現在はコンクリート、アルミ、水、ステンレス、鉛、レンガなど身近な物で遮蔽することで、宇宙線到来頻度がどのくらい変化するかを調べている。
location_on神奈川県 location_city 平塚中等教育学校 account_circle 榎本晴日
account_circle 井上晶絵
宇宙線は物体を通ると減衰します。自宅の周りには山があるので、その山によって宇宙線が遮られているのではないかと考えました。山によってどれくらい宇宙線が遮られているのかを調べるのが目的です。現在は二台重ねた cosmic watch を四方向に向けて測定し、山のある方向とない方向で到来頻度に差があるのかを調べています。
location_on茨城県 location_city 江戸川取手高校 supervisor_account 佐々木真奈香
account_circle 小泉紗季 小野寺優 金子ひなた 阿部利音
私たちの所属する江戸川学園取手では、先行して先輩が宇宙線被ばく量に関する探究を行っています。そこから発展させて、私たちのチームでは天気と被ばく量の関係について調べることにしました。宇宙線検出器の cosmic watch や被ばく量の計算ができる EXPACS 、解析用のgoogle colaboratoryを使用して被ばく量を求めることを目標にしています。現在は、天気と宇宙線の到来頻度の関係を調べています。
location_on秋田県 location_city 秋田高校(地学班) supervisor_account 丸田京華
account_circle 高2 成田陽介 account_circle 高2 児玉伊吹 account_circle 高2 平野夏樹 account_circle 高2 柴田幸輔
μ粒子の到来頻度の変動にはどのような周期性があるのか、そしてその周期性は何によるものなのかに興味を持ち、CosmicWatchで測定したμ粒子到来頻度の周期を離散Fourier解析を用いて解析しています。また、前年度の本校の研究でμ粒子到来頻度に影響を与えるとされた気象要素(地上気温、気圧)の影響を補正して周期を解析することで、気象要素以外のμ粒子到来頻度の変動の原因の調査も行っています。
location_on山形県 location_city 山形東高等学校
account_circle 佐藤麻央
重力測定器の上に積もる雪の重力の影響を修正するために宇宙線を用いた雪量計の作製を試みている。cosmicwatchで水位による減衰が見られるかどうかを検証するために1台測定を行った。またミューオンを観測するプラスチックシンチレータと主に中性子を観測するej-276の違いを比較した。現在、水位を4段階に分け、約24時間ずつ2台測定をし終えた。プラスチックシンチレータでは水位の上昇に伴って到来数の減少傾向がみられた。今後は2台測定の解析を行い、雪の下での計測も試そうと思う。
location_on埼玉県 location_city 早稲田大学本庄高等学院
account_circle 緒方壮達 岡本有布 竹森悠河
本学院では、「墳Q」活動と題して学校の周りにある古墳を地中探査レーダーや宇宙線(宇宙から降り注ぐ自然放射線)を用いて透視しようというプロジェクトを継続的に実施しています。 現在10人ほどの生徒が、月に一回程度勉強会、その他は古墳班、ハードウェア班、ソフトウェア班に分かれて活動しています。古墳班は文献調査をしたり、学校のそばにある塚本山古墳群等を巡検しターゲット古墳を探しています。ハードウェア班は研究者と共に宇宙線透視装置OSECHIの開発を行っています。ソフトウェア班は大学院生と共にデータ解析やシミュレーションを行っています。現在は、古墳のレーダ探査を行い、次はいよいよOSECHIをもちいた古墳測定というフェーズです!このプロジェクトは、高エネルギー加速器研究機構(KEK)、総合研究大学院大学、早大考古学研究室・考古学資料室、本庄市からもご協力いただいております。
location_on山形 location_city 米沢興譲館 supervisor_account 遠藤心汰朗
account_circle 高2 梅津昂征 account_circle 高2 安部結太 account_circle 高2 竹下恭平 account_circle 高2 齋藤遼真 account_circle 高2 船山晃大 account_circle 高2 齋藤映斗
我々の目的は、空気シャワーによって発生したμ粒子の地上への到来頻度と雲の量との因果関係を調べることである。そこで雲量により到来頻度が変化すると仮説を立て、雲を大きな水の塊と捉えて水量の変化による到来頻度の変化を観測しようと考え実験を行った。実験では、高さ約2mの塩ビ管に2.0m、1.5m、1.0m、0.5m、0mと水の量を変えて入れ、それを通過したμ粒子の到来頻度を計測し、その頻度の減少量と水量との関係をそれぞれ解析した。結果として水量の増加に伴いμ粒子の到来頻度が減少することがわかったため、雲においても同様に雲量が増加するほど到来頻度が減少すると考えられる。今後はより良い解析方法を模索しつつ、気圧や湿度などの他の気象要因とμ粒子との関係も調べ、気象予報の必要な具体的な数値や関係式を導出したいと考えている。